『学生を戦地へ送るには:田辺元「悪魔の京大講義」を読む』 佐藤優劇場
佐藤優『学生を戦地へ送るには:田辺元「悪魔の京大講義」を読む』新潮社、2017
元外務省職員で今は著述家の佐藤優の本。
佐藤が主催する講義形式の合宿の記録。
今回は京都大学で活躍した哲学者田辺元の『歴史的現実』をテーマに読解するゼミ。
対話形式(といってもほとんどは佐藤の語りだが)で記録されるので、正直私は読みにくかった。
仕事柄、証人尋問調書を読んでいるかのような感じ。
話し言葉がそのまま記載されているのも、テーマ自体が難しいと、逆にイライラするときがある。
テーマにあった話し方・書き方というものがあるのだろうとは思う。
あと、結局何が言いたいのかも微妙にわからなかった。
何を目指していたのかが分からなかったのだろうと思う。
自分の読解の問題なのか、それとも話が飛びまくるからなのだろうか。
なんにせよ、「どうやって学生を戦地へ送ったのか」を理解できた気がしない。
まぁ、私の読解の問題なのかもしれないが。
それに物知りの佐藤の話は聞いていれば面白い。
合う人には合うのだろうなと思う。
また、佐藤の話がいまいちわからなかったので、田辺元の『歴史的現実』に当たってみても面白いのかもしれない。