小和田哲男監修『戦国 戦の作法』
人間の歴史は戦争の歴史といって良い。
日本の歴史もそうだ。
戦国時代だけでなく、他の時代だって、大小の戦争が歴史を動かしてきた。
だから学校でも戦争の歴史を習い続けている。
ただ、そこで教わるのは、誰と誰が戦ったのか、どちらが勝ったのかが中心だ。
例えばどのように戦ったのか(戦術)、
どのような武器で戦ったのか、
戦いを始める前にはどんな儀式をしたのか、などなど、
細部については良く知らない。
戦場に残された死体や鎧はどうなるんだろう・・・とか。
お城の攻め落とし方など。
それをさくっと楽しく教えてくれるのがこちら。
デフォルメされたイラストがわかりやすい。
私は表紙の絵の武将の前を走ってる犬が可愛くて好きだ。
この絵の意味も読めばわかる。
正確性については私も良く知りはしないのだが、
高校生ぐらいがマニアへの第一歩を踏むにはよさそうな気がする。
この本を通じた感想として、今も昔も戦争に作法も何もないなぁということだった。
裏切り、謀略なんでもありで、
相手の国の田んぼの稲を収穫前にダメにしてやるなんて行為だってそうだ。
兵器だって常に最新のものを取り入れ、
「これは残虐だからやめよう」
という発想はなさそうだ。
生き残るためなら何でもOKという発想はある種すがすがしいが、
生きていくには強さが必要になり、なんとも生きにくい世界だなと思う。
「戦の作法」という題名とのギャップが中々面白かった。