『原子力規制委員会――独立・中立という幻想』
福島の事故から早いもので7年が過ぎた。
国家権力というのは、かくも反省しないのだというニュースばかりだ。
この本は、原発の規制を担う原子力規制委員会の体たらくを丁寧に書いている。
まず、フクシマに至る無反省・無為無策の歴史を明らかにした。
そして、原子力規制委員会だって同じだということを明言している。
公正中立な規制を実現するのであれば、利害関係のない人間に任せなければならないはずだが、
原子力規制委員会は、 電力会社やその間連団体の人間や、そこから金をもらった人間が多数派になった、極めて偏向的な集団だ。
なんの意味もない規制委員会で良しとしている国会も無為無策のそしりは免れない。
それに上塗りするかのように、専門家の集団だからとその判断を無批判にありがたがる司法権の大部分の無思考振りには、驚きを禁じ得ない。
私は原発もそれを良しとする電力会社も嫌いだ。