自衛官による国会議員罵倒について
現役自衛官が国会議員を「国民の敵」呼ばわりする事件が発生した。
直ちに統合幕僚長、防衛省事務次官が謝罪するなど、事件終息に向けた動きがなされている。
しかし、かなりのインパクトのある事件だった。
過去、自衛官による発言が大いに注目された例に、田母神論文が挙げられる。
田母神論文は、執筆者の肩書きと内容のインパクとで話題になったが、一応、(かろうじて)学問上の論評という価値はあったと思う。
今回は、単なる罵倒であって、何らの価値もない発言である。
ある記事では、自衛官の発言は許されないのか、などと今回の騒ぎを冷ややかに見ているようだ。https://www.zakzak.co.jp/soc/news/180418/soc1804180017-n1.html
しかし、この記事を書いた人間は、他人を公然と罵倒してよいとでも言いたいのか。
何しろ自衛官は政治的行動が制限されている。
国会議員に対する国民の敵発言が政治的言動でなくして何なのだろうか。
そもそも国民から選ばれた国会議員が国民の敵というのは意味不明である。
今回の罵倒の動機は知らないが、被害にあった議員が日報問題等で厳しい追及をしたことに忸怩たる思いがあったのではないかと推測されている。
もしそうだとすれば、国権上、最強の実力行使機関の批判をすれば非国民呼ばわりされることになる。
文民への敬意・尊重というシビリアンコントロールの精神が全く感じられない。
あるべき国民像を自衛官のみならず誰も決定できないはずだ。
多様な国民を前提とした自由な国を守る、そういう尊敬されている自衛官像も守ってほしい。